「学資保険にすべきか、新NISAにすべきか」と調べるほど、余計に迷っていないだろうか。
保険会社のサイトを見れば学資保険のメリットが並び、証券会社のサイトを見れば新NISAの非課税効果が強調される。判断材料は増えるのに、結論は近づかない——そんな堂々巡りに心当たりがあるかもしれない。
- 学資保険・新NISAそれぞれの強みと弱み
- 2026年時点の返戻率・非課税効果の実際の数字
- 「併用」が定石とされる理由と配分の考え方
- 学資保険という商品名にこだわらなくてもいい理由

学資保険とは何か、何が強みか
学資保険は、契約時に決めた保険料を積み立て、進学のタイミング(多くは18歳)でまとまった「祝い金」や「満期保険金」を受け取れる保険商品だ。
- 元本確保に近い安心感:途中解約さえしなければ、契約時に決めた金額を確実に受け取れる
- 契約者(親)に万一があった場合の保障:契約者が死亡・高度障害になると以後の保険料の払い込みが免除される特約が多く、それでも満期保険金は予定通り受け取れる
- 生命保険料控除で節税できる:最大4万円が所得控除の対象。年収500万円の家庭なら18年間で約14万円の節税効果になる
一方で弱点もはっきりしている。
- 途中解約で元本割れする可能性がある
- インフレに弱い。受取額は契約時点で固定されるため、物価が上がった分だけ実質的な価値は目減りする
- 受け取り方によっては一時所得として課税対象になる場合がある
新NISAとは何か、何が強みか
新NISAは、投資信託や株式の運用益・配当が無期限で非課税になる制度だ。教育資金づくりに使う場合は、つみたて投資枠でインデックスファンドを積み立てるのが一般的な形になる。
あたま月2万円を18年間、年利5%で運用できた場合の利益は、学資保険の一般的な利益の20倍近くになるという試算もあります
- 運用益が無期限で非課税。通常20.315%かかる税金がゼロになる(年利5%で18年運用し266万円の利益が出た場合、非課税効果は約54万円分)
- 全世界株式に20年以上投資した場合、過去のどの期間を切り取っても元本割れしたケースはゼロという金融庁のデータがある(長期投資が前提であり、10年未満の短期では成り立たない点に注意)
- 長期の積立・分散でリスクを抑えながら、学資保険よりも高いリターンを狙える可能性がある
弱点は次の通り。
- 元本割れリスクがある。相場が悪いタイミングで現金化を迫られると損失が確定する
- 売却タイミングの判断が必要。「大学入学金が必要な年にたまたま相場が下がっていた」というリスクは常につきまとう
- つみたて投資枠は金融庁の基準を満たす商品に限定される
どちらが向いているか
| 学資保険が向く家庭 | 新NISAが向く家庭 | |
|---|---|---|
| 志向 | リスク回避志向 | 収益性重視 |
| 重視すること | 親の保障(払込免除) | 資産の増加余地 |
| 準備スタイル | 計画的・確実に | ある程度の変動を許容できる |
2026年時点、FP(ファイナンシャルプランナー)は基本的に新NISAをメインに据えることを勧める傾向にある。理由は18年という長期運用での非課税メリットの大きさと、子どもの進路変更など状況変化への対応の柔軟性だ。ただし学資保険の返戻率は一律に低いと決めつけられるものでもなく、金利環境の改善で底上げが進んでいる商品も出てきている。「新NISA一択」ではなく、次に見る「併用」がやはり現実的な落としどころになる。
なぜ「併用」が定石なのか
保険会社・金融メディアどちらの情報源でも、最終的な結論は「併用」に収れんすることが多い。理由は単純で、教育費には「絶対に用意しなければならない部分」と「余裕があれば増やしたい部分」の両方があるからだ。
文部科学省の2026年1月公表データによると、幼稚園から高校まで15年間、すべて公立なら学習費総額は約614万円、すべて私立なら約1,969万円になる。これに大学の学費が乗る。国立なら約250万円、私立理系で一人暮らしをする場合は学費800万円+生活費600万円で1,400万円ほどが目安だ。
いずれにせよ、大学入学時には入学金・授業料・引越し費用が重なり、一時的に100万円以上の支出が発生しうる。この「確実に必要になる一時金」の部分は、元本割れしたら困る。ここは学資保険や定期預金で固めておくのが合理的だ。
一方、時間的な余裕がある部分(0歳から積み立てる資金の一部など)は、18年という長期運用が前提になるため、新NISAでの運用益を狙う余地がある。


併用の考え方の一例
- 大学入学時に確実に必要な金額(入学金+初年度授業料など)→ 学資保険や定期預金で元本を固定
- それ以外の教育費(塾代、私立進学した場合の追加費用など)→ 新NISAのつみたて投資枠で長期運用
- 児童手当(累計約234万円)は、学資保険と新NISAへの拠出原資としてそのまま使う
学資保険という「商品名」にこだわらなくていい



うちは娘の学資保険に加入していません。ただ、保障を諦めたわけではなくて。契約者に何かあったときの保障と積立という目的さえ満たせるなら、商品名は学資保険でなくてもいいはずだと考えたんです。結果、同じ目的を果たせる、返戻率がより高い別の保険商品を選びました
ここまで「学資保険か新NISAか」という前提で話を進めてきたが、実はもう一つ見落とされがちな選択肢がある。学資保険が担っている「契約者保障」と「強制貯蓄性」という2つの機能は、学資保険という商品でなければ得られないわけではない。同等の保障を持つ他の保険商品のほうが、条件次第では返戻率で有利になる場合もある。
「学資保険か、新NISAか」の前に、「そもそも保障部分をどの商品で満たすか」を一度切り離して考えると、選択肢はもう少し広がる。
情報源のバイアスに注意する
学資保険を勧める記事の多くは保険会社自身が発信しているものだ。「併用がベスト」という結論自体は妥当だとしても、その配分比率(学資保険にどれだけ厚くするか)については、保険会社の記事だけを参考にすると保険寄りに偏る可能性がある。自分の家庭のリスク許容度と、必要な資金の確実性を踏まえて、配分は自分で決めるべきだ。
自分で判断しきれない部分は、無料の保険相談を使って第三者の視点を入れるのも一つの手だ。子どもの誕生を機に学資保険を見直した体験談では、既契約の保険をどう扱われたか・強引な勧誘はあったかを具体的にレビューしている。
まとめ
- 学資保険は「元本確保」、新NISAは「非課税運用益」という、そもそも役割が違う手段
- 「どちらか」ではなく「確実に必要な分」と「余裕がある分」で使い分けるのが実務的な結論
- 学資保険という商品名にこだわらず、同じ機能を持つ他の保険商品で代替する選択肢もある
- 学資保険側の情報にはポジショントークが混じりやすい点は割り引いて読む



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