児童手当、なんとなく子ども名義の口座に振り込まれたまま放置していないだろうか。
児童手当を生活費に使わず、そのまま子どものために積み立てている家庭は多い。ただ「積み立てる」と言っても、普通預金に置いておくのと、運用に回すのとでは、18年後の金額に大きな差が出る。
- 児童手当の総額(第1・2子で約234万円)の内訳
- 貯金と運用、18年後の金額差
- 全額投資を避けるべき理由
- 受け皿となる親名義の新NISA、そして2027年開始が確定したこどもNISA

まず、児童手当の総額を正確に把握する
2024年10月の制度改正で、児童手当は大きく変わった。
- 所得制限が撤廃され、全世帯が全額受給できるようになった
- 支給対象が「18歳に達した後の最初の3月31日まで」に延長された(従来は中学卒業まで)
- 支給額は、0〜2歳が第1・2子で月15,000円(第3子以降は月30,000円)、3歳〜高校生年代が第1・2子で月10,000円(第3子以降は月30,000円)
この結果、第1子・第2子の場合、0歳から高校生年代まで受給し続けると総額は約234万円になる。何もしなくても手元に入ってくる、まとまった原資だ。
そのまま貯金した場合 vs 運用した場合
234万円をそのまま普通預金に置いておけば、18年後もほぼ234万円のままだ(金利はごくわずか)。一方、これを年利5%で運用した場合、18歳時点でおよそ385万円になるという試算がある。

差額は150万円以上。大学の入学金〜数年分の授業料規模に相当する差になりうる。「手出しゼロ」でこれだけの差がつくというのは、知っているかどうかで結果が変わる典型例だ。
ただし、投資一辺倒には注意が必要
ここで冷静になるべきポイントがある。学費の支払い時期は基本的に固定されている。大学入学のタイミングでたまたま相場が下落していたら、必要な時に必要な金額を用意できないリスクがある。
そのため、児童手当をすべて運用に回すのではなく、一部は元本保証の学資保険や定期預金で確保しつつ、残りを運用に回すという「基礎+上乗せ」の考え方が推奨される。児童手当という「確実に入ってくるお金」だからこそ、リスクの取り方は慎重に設計したい。
受け皿はどうするか:親名義の新NISA、そして2027年開始が確定したこどもNISA
現状、子ども名義で非課税運用する制度はまだない。児童手当を運用に回す場合、実務上は親名義の新NISAで運用し、必要なタイミングで教育費に充てるという形になる。
あたまうちも娘の児童手当は貯金せず、そのまま新NISAで運用に回しています
2027年1月に開始予定だった「こどもNISA」は、2026年度税制改正法の成立によりすでに開始が正式に確定している。始まれば、子ども名義の非課税口座で児童手当を直接運用できるようになる。年間投資枠は60万円で、児童手当の年間受給額(多くの家庭で年12万〜18万円程度)を十分に下回るため、枠を使い切れずに余る計算になる。「児童手当だけでは枠が埋まらない」というのが現実的な運用イメージだ。
なお、こどもNISAの口座は「親のものではなく、あくまで子どもの財産」という位置づけになる。12歳以降に引き出す場合は子ども本人の同意が必要で、児童手当を原資にした資産であっても、最終的には子どものものとして扱われる点は意識しておきたい。
| 親名義の新NISA(今すぐ使える) | こどもNISA(2027年〜) | |
|---|---|---|
| 名義 | 親 | 子ども |
| 年間投資枠 | 120万円(つみたて投資枠) | 60万円 |
| 引き出し | 親の判断で自由 | 12歳以降、子ども本人の同意が必要 |
| 児童手当との相性 | 年12万〜18万円程度なら枠は十分余る | 同様に枠は余るが、資産の帰属が明確 |
今すぐ始めるなら親名義の新NISA一択だが、2027年以降は「資産の帰属を子ども名義ではっきりさせたいか」で使い分けを検討できる。制度の詳細は、こどもNISAの完全ガイドで別途まとめている。
まとめ
- 児童手当の総額(第1・2子で約234万円)は、何もしなくても入ってくる運用原資
- 年利5%で運用した場合、18歳時点で約385万円という試算があり、貯金のままとの差は150万円超
- ただし学費の支払い時期は固定的なので、全額投資は避け、元本保証の手段と組み合わせる
- 受け皿は当面は親名義の新NISA、2027年以降はこどもNISAが選択肢に加わる(すでに法律として成立済み)



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