子ども名義の口座、実は危ない?贈与税と「名義預金」の落とし穴

お年玉、お祝い金、子ども名義の口座にそのまま貯めていないだろうか。

善意でやっていることだが、実はやり方次第で贈与税がかかったり、税務署から「それは実質的に親のお金ですよね」と指摘されたりするリスクがある。

この記事では、贈与税の基礎控除の仕組みから、「名義預金」という落とし穴、そして正しい対策までを整理する。

  • 贈与税の基礎控除(年110万円)の考え方
  • 「名義預金」と判定される条件と、時効がない理由
  • 名義預金と混同されやすい「生前贈与加算」との違い
  • 税務署にバレる仕組みと、正しい対策3つ

赤い封筒に入ったお金

目次

贈与税の基礎控除は年110万円

まず基本の数字から。贈与税には年間110万円の基礎控除がある。1年間に受け取った贈与の合計がこの範囲内であれば、贈与税はかからない。逆に言えば、これを超えると課税対象になりうる。

「名義預金」という落とし穴

もう一つ、多くの人が知らずに引っかかっているのが名義預金という概念だ。

名義預金とは、口座の名義は子どもだが、実質的な所有者・管理者が親であると判定される預金のことを指す。名義預金と判定されると、そのお金は「子どものもの」ではなく「親の財産」とみなされ、相続の場面などで課税対象に算入されてしまう。

あたま

実はうちも、娘名義の口座は今のところ私が管理しています。名義預金のリスクは分かっていても、実務上はこうなりがちです

名義預金と判定されやすいのは、次のような状況だ。

  • 子どもが通帳や印鑑を持っておらず、親がすべて管理している
  • 子どもがその口座の存在自体を知らない
  • 名義人(子ども)に「贈与を受けた」という認識がない

つまり「子ども名義の口座を作って、親がずっと管理し続けている」というよくあるパターンそのものが、名義預金と判定されるリスクを抱えている。

贈与税がかかる5つの典型事例

税理士法人チェスターの解説によると、次のようなケースで贈与税が課税される可能性がある。

  1. 年間110万円超の入金:基礎控除を超えた分がそのまま課税対象になる
  2. 数年分の教育資金をまとめて入金:その年に使い切れなかった残額が課税対象になりうる
  3. 生活費の範囲を超えた仕送り:投資や貯蓄に充てた分は「生活費」ではなく贈与とみなされる
  4. 住宅購入資金で特例枠を超過:省エネ住宅1,000万円、その他500万円という非課税特例枠を超えた部分
  5. 結婚・子育て資金の複数年分入金:特例口座を使わずに複数年分をまとめて入金し、使い切れなかった残額

名義預金に時効はない

「もう何年も前のことだから、時効で問題ないのでは」と考える人もいるだろう。だが名義預金については、この発想が通用しない。

贈与税には原則6年(隠蔽・仮装があれば7年)の時効(除斥期間)があるが、これは贈与契約が成立していることが前提だ。名義預金は「親が子ども名義の口座に勝手にお金を入れていただけ」で、そもそも贈与という契約自体が成立していないと判断される。契約が成立していない以上、時効の起算点もなく、何年経っても名義預金という扱いは変わらない

名義預金と「生前贈与加算」は別物

もう一つ混同されやすいのが、相続税の「生前贈与加算」(俗にいう7年ルール)だ。2023年度の税制改正で、相続開始前7年分の生前贈与が相続財産に加算される仕組みに段階的に延長されている。

名義預金と生前贈与加算(7年ルール)の違いを示す比較図

生前贈与加算は、あくまで正当な贈与が成立していることが前提の話だ。名義預金のように「贈与自体が無かったことにされる」のとは根本的に性質が異なる。両者を混同すると対策の方向性がズレるので、まずどちらの話をしているのかを切り分けて考えたい。

税務署にどうやってバレるのか

相続が発生した際、税務署は被相続人(亡くなった人)の財産から「行き先の分からない出金」がないかを調査する。特に、口座を介さない手渡しの贈与や、実質的な管理者と名義人が異なる名義預金は指摘されやすい。「バレなければ大丈夫」という発想は、思っている以上にリスクが高い。

正しい対策は3つ

  1. 贈与契約書を作成する:贈与のたびに、双方合意の証拠を書面で残す。テンプレートは無料で入手できる
  2. 銀行振込を使う:手渡しではなく振込にして、入金記録を残す
  3. 子ども本人に管理させる:通帳・カード・印鑑を子ども(未成年なら成人後)に渡し、実質的に子どもが管理している状態を作る。これが名義預金認定を避ける最も本質的な対策になる
あたま

自分自身も、20歳になるまでは口座を親に管理してもらっていました。その時に渡してもらったお金を元手に、投資を始めています。いつか本人にちゃんと渡すタイミングさえ来れば、それでいいんだと思っています

こどもNISAでも「子どもの財産」という原則は同じ

2027年開始が確定しているこどもNISAの口座も、「親のものではなく、あくまで子どもの財産」という位置づけになる。12歳以降に引き出す場合は子ども本人の同意が必要とされ、親が独断で引き出すことはできない設計だ。子ども名義の資産は、口座の種類に関わらず「本当に子どものものにしておく」という一貫した意識が必要になる。

まとめ

  • 年110万円の基礎控除を超える入金は贈与税の対象になりうる
  • 「口座は子ども名義だが親が管理している」状態は名義預金と判定されるリスクがあり、時効も適用されない
  • 生前贈与加算(7年ルール)は正当な贈与が前提の別概念であり、名義預金と混同しない
  • 対策は、贈与契約書の作成・銀行振込の利用・子ども本人への実質的な管理の移譲の3つ
あたま

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この記事を書いた人

こんにちは!七色の毎日 -レインボーdays+へようこそ!子ども大好き理系パパの「あたま」です。理屈っぽくて子どもにウザがられつつも、在宅を活用して子育てに全力参加中!最近はママばかりにかまっている子どもを見てちょっと嫉妬気味…。娘1人の3人家族で奮闘中です。本業では生成AIの活用法を研究し、実装・社内への導入推進を担当。その延長でガジェット好きも高じて、作業環境まわりのレビュー記事も書いています。育児パパの悩みも、生成AIやガジェットの話も、これからも共有していきます!どうぞよろしくお願いします!

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